岩手大農学部の星野次汪(つぐひろ)教授(作物育成)は21日、完全にもち化したヒエの開発に成功した、と発表した。粘りが強く単独でもちにすることが可能。つぶつぶ感もほとんどないという。年明けにも農水省に品種登録する。
ヒエの中で粘りの強い品種のノゲヒエにガンマ線を照射したところ、突然変異で誕生したという。外見はノゲヒエと変わらないが、でんぷん成分がもち性を示すアミロペクチンだけで構成されている。昨年秋に開発し、栽培を通じて遺伝的な継承も確認された。
キビやアワなどはもち化されているが、ヒエは遺伝子が多いため難しかった。「もち」をうたったヒエは数種類あったが、いずれもうるち性を示すでんぷん成分のアミロースが含まれており、完全なもちではなかった。
雑穀生産が盛んな岩手県は、ヒエ生産はシェア8割で国内トップ。星野教授は「米とのブレンドや和菓子などへ需要が期待される。穂の長さが2メートル近くあって倒れやすいので、栽培しやすいように改良を進めたい」と話している。
1995年に小麦のもち化に成功した東北農研の中村俊樹サブチーム長は「学会では『ヒエにもちはない』という通説が定着していた。完全にもち化したヒエの開発は世界初ではないか」と評価している。
12月22日7時2分配信 河北新報