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死刑直前のフセイン元大統領 死刑を執行されるフセイン元イラク大統領。死刑確定後4日で処刑された。マリキ政権が断行した形だが、イラクの治安情勢が一段と不安定になる恐れもある(30日、イラク・バグダッド=同国国営テレビの映像より)(AFP=時事)

 【カイロ=柳沢亨之】中東の衛星テレビ、アル・ジャジーラは31日、イラクのフセイン元大統領の死刑執行の様子を収めたビデオ映像を放映した。

 絞首台に立たされた元大統領は執行人らの罵(ののし)りに捨てぜりふを吐くなど、最後まで余裕を見せた。

 映像では、太いロープを首に巻かれた元大統領が「おお神よ」とつぶやくと、複数の人物が大声で「ムクタダ、ムクタダ」と叫ぶ。高位法学者の父をフセイン政権に殺害されたイスラム教シーア派強硬指導者ムクタダ・サドル師を指すとみられる。これに対し元大統領は大きな笑みを浮かべながら、「この雑魚が」と応じた。

 元大統領はこの直後、「アッラーのほかに神はなし。ムハンマドはアッラーの使徒である」とのイスラム教の信仰告白を繰り返し、2回目の「ムハンマド」を言った時に絞首台が落ちた。映像は、執行関係者が携帯電話カメラなどで私的に撮影したものとみられる。

(2006年12月31日22時14分 読売新聞)


フセイン元大統領遺体、生地に埋葬…息子墓所の近く イラク中部オウジャ村のフセイン元大統領埋葬地に集まった人々=AP

 【カイロ=柳沢亨之】イラクからの報道によると、バグダッドで30日に死刑が執行されたサダム・フセイン元同国大統領の遺体が31日未明、生まれ故郷の中部ティクリート近郊オウジャ村に搬送され、埋葬された。イラク政府は元大統領に「帰郷」を認め、遺族に対し一定の配慮をした形だ。

 遺体は、元大統領の出身部族長らがバグダッドで引き取り、米軍機で搬送された。埋葬地は同村内の葬儀場内で、2003年夏に殺害された元大統領の長男ウダイ、二男クサイ両氏の墓から約3キロの地点。

 イラク当局は混乱を防ぐため、ティクリートなど近郊都市の道路を封鎖し、埋葬には少数の部族関係者らだけが立ち会った。参列者は、イラク国旗に包まれた元大統領の棺(ひつぎ)にすがり、嗚咽(おえつ)した。イスラム教の慣習では遅くとも死亡翌日までに遺体を埋葬することになっている。 

 イラク政府は当初、元大統領の墓地が反政府武装勢力の「巡礼地」となることを恐れ、秘密裏の埋葬も検討していた。墓地は今後、息子2人の墓とともに治安部隊の厳重な警戒下に置かれるものとみられる。

(2006年12月31日22時12分 読売新聞)


 【カイロ=柳沢亨之】イラクのサダム・フセイン元大統領が、イスラム教の重要祝祭「犠牲祭」入りの30日に処刑されたことに対し、イスラム教スンニ派アラブ諸国が反発を強めている。

 同教シーア派主導のイラク政府との間にしこりを残す可能性がある。

 サウジアラビアの国営通信は30日、「犠牲祭初日の刑執行に驚きと落胆を感じる」との声明を出した。声明はさらに、「元大統領の裁判は政治的影響を排し、もっと時間をかけ、詳細な審理を行うべきだった」とフセイン裁判自体を異例の厳しい調子で非難した。

 またエジプト外務省も30日、犠牲祭初日の執行を「遺憾」とし、「イスラム教徒の感情を考慮に入れなかった」と批判する声明を発表した。イラクでは30日、スンニ派信徒が一斉に「不敬」と反発していた。

(2006年12月31日21時24分 読売新聞)


ザワヒリ容疑者、イラク国内の武装勢力に結束を呼び掛け 12月31日、アルカイダの副官ザワヒリ容疑者とみられる人物がイラク国内の武装勢力に結束を呼び掛け。写真は4月放映されたテレビ映像でのザワヒリ容疑者。アルジャジーラTV提供(2006年 ロイター)

 [ドバイ 31日 ロイター] アルカイダの副官ザワヒリ容疑者とみられる人物が、31日にインターネット上で公開された音声テープを通じ、イラク国内の武装勢力に結束を呼び掛けた。また、パレスチナのイスラム教徒に対しては、自治政府に協力しないよう強く求めた。

 同音声テープの信ぴょう性については確認されていないが、掲載されたウェブサイトは、アルカイダやイラク国内の武装勢力などが使用している。

 ザワヒリ容疑者は、今月に入って公開されたビデオで、イスラム教徒が攻撃を受ける限り、アルカイダは引き続き米国や西側諸国を標的にすると警告していた。

12月31日18時47分配信 ロイター


 【ワシントン=山本秀也】米軍関係者向けの専門紙が、このほど現役の軍人を対象に行った最新の世論調査で、ブッシュ大統領のイラク政策を「支持しない」とする回答が42%に上り、「支持」(35%)を初めて上回った。イラク駐留米軍の死者が3000人の大台に迫るなか、戦闘任務にたずさわる軍人の政策への強い不信が示されたかたちだ。

 世論調査は「陸軍タイムズ」など4紙を発行するミリタリー・タイムズが、4紙電子版(12月29日付)で発表した。イラク派兵の是非では、派兵支持(41%)が不支持(37%)をわずかに上回った。また、イラク戦争での勝利を「信じる」という回答率は50%に達したものの、2004年調査での83%からは大幅に後退した。

 イラクの民主化や治安回復など目的の達成に関する見通しでは、8割が「3年以上かかる」と回答。現状への不満では兵力の手薄さを指摘する声が大半を占めた。

 イラクでは12月30日までに米兵2998人が死亡。月別の死者数も、12月は同日までに109人と、今年最悪の月となっていた。

産経新聞 (2006/12/31 17:12)


イラクでシーア派狙った自動車爆弾が相次ぎ爆発、72人が死亡 12月30日、イラクでシーア派狙った自動車爆弾が相次ぎ爆発し72人が死亡。フセイン元大統領の死刑執行に対するスンニ派の報復行動との見方も。写真は死刑執行直前のフセイン元大統領(2006年 ロイター/アルイラキーヤTV)

 [バグダッド 30日 ロイター] イラクの首都バグダッドおよび周辺地域で30日、イスラム教シーア派を狙った4台の自動車爆弾が相次いで爆発し、合計72人が死亡した。この日に執行されたフセイン元大統領の死刑に対する一部のスンニ派による報復行動との見方もある。

 バグダッドのシーア派居住区では3台の自動車爆弾が立て続けに爆発し、内務省関係者によると36人が死亡、77人が負傷した。

 また、シーア派の聖地ナジャフ近郊クーファでは、買い物客でにぎわう市場で自動車爆弾が爆発し、36人が死亡、58人が負傷した。現地警察が明らかにした。

12月31日13時0分配信 ロイター


■ シーア派、祝福の祈り

【カイロ支局】まさに“世紀の処刑”だった。米CNNテレビなどは30日、イラクのフセイン元大統領に対する死刑執行の映像を全世界に伝えた。元大統領は観念した様子だったが、残虐行為への後悔の念はまったく示さなかった。

 処刑から約6時間後に映像を流したCNNテレビによると、元大統領は真っ黒な上着、ズボン、靴をはかせられ手錠をかけられたまま、覆面姿の立会人によって絞首台まで連行された。目隠し用のフードは拒否したが、首にロープが巻かれたときわずかにおびえているようにも見えた。このあとしばらくして白い布にくるまれた元大統領の遺体の映像も流された。


 イラクの元大統領サダム・フセインが30日、絞首刑に処せられた。

 判決確定からわずか4日での死刑執行。イラクの治安が悪化する中、イラクでの支援を続けるNGO(非政府組織)の関係者らからは、「宗派間の抗争が激化しなければいいが」と不安の声が聞かれた。

 「日本イラク医療支援ネットワーク」の事務局の佐藤真紀さん(45)は「イラクにとって、死刑執行がプラスかマイナスかまだ分からない。アラブの世界ではフセインの支持者はまだ多く、内戦の引き金にならないことを願うばかり」と話す。佐藤さんはこの日、支援活動のため、イラクの隣国、ヨルダンへ向かった。


 イラクのフセイン元大統領処刑の知らせに、旧フセイン政権と敵対した国は歓迎する一方、死刑を廃止している欧州などでは疑問や戸惑いの声が上がった。

 イランのアセフィ外務次官は、国営イラン通信(IRNA)に「処刑は、イラクの人々の勝利だ」と語った。イスラエルのペレス副首相は公共ラジオ放送で「サダム・フセインは自ら死を招いた」と述べた。

 イラク戦争を戦った英国の反応は複雑。ロイター通信によると、ベケット外相は「元大統領の恐ろしい罪の一部を、イラクの法廷が裁いた事実を歓迎する」としつつ、改めて「世界中の死刑廃止を主張する」と述べた。

 フランス外務省は声明でイラク国民に「未来を見すえ、国の再建と統一に努めてほしい」と呼びかけ、「他の欧州諸国とともに死刑廃止を主張するフランスは、30日の処刑を記憶にとどめる。この決断はイラク国民と主権を持つイラク当局によるものだ」とした。

 死刑に原則反対のロシアは、外務省のカムイニン情報新聞局長が「国際社会の呼びかけにイラク政府が応えなかったことは遺憾だ」と語った。パレスチナ自治政府で内閣を握るイスラム過激派ハマスの報道官は「フセイン氏は戦争捕虜。処刑は国際法に違反する」とした。

 中国外務省の秦剛・副報道局長は「イラクの問題はイラク国民の決定によるべきだ」との声明を発表した。

2006年12月30日23時10分 asahi.com


真相より報復優先? フセイン元大統領処刑 拙速批判も フセイン元大統領の処刑が伝わり歓喜の声をあげる在米イラク人たち=AP

 【ジュネーブ=渡辺覚】イラクの元大統領フセインに対し、「人道に対する罪」で死刑判決を下したイラク高等法廷については、判決だけでなく、法廷自体の法的な正当性に関しても国際的な議論があった。

 法廷は、イラクが米軍などの占領下にあった2003年12月に設置が決まった国内法廷だ。大統領だった人物の政権時代の犯罪を裁く「特別法廷」として、イラク刑法になかった「人道に対する罪」などの規定を設け、国際法に準拠した形を取った。その一方では、法廷の資金や運営・警備に米国の深い関与が指摘され、判事や検事の人選でも政治的にフセインと対立する立場にあった人物を任命するなど、発足時にも問題点が指摘された。



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