販売再開が決まった吉野家の牛丼=6日午後、東京・渋谷で吉野家の牛丼が18日、復活します。牛海綿状脳症(BSE)問題で米国産牛肉の輸入が止まったため、2年7カ月間、販売を休んでいました。ライバルの牛丼チェーンが豪州産や中国産の牛肉に切り替えて健闘しているのを横目に、「米国産でないとおいしくない」と我慢。その結果、業績はがた落ちしました。「牛丼といえばヨシギュー(吉牛)」の日々は戻ってくるか。味にこだわる経営の再出発が注目されています。
◇
吉野家ディー・アンド・シーの安部修仁社長は声を詰まらせた。今月6日、牛丼販売再開を発表した記者会見で吉野家ファンへの一言を求められた時だ。「不覚だったが、いろんなことを思い出した」と安部社長は照れ笑いをする。
1日70万〜80万食売れていた「吉牛」が姿を消したのは04年2月。03年12月に米国産牛肉が輸入停止になり、在庫も尽きた。以来、「米国産でないと『吉牛』は作れない」と封印してきた。
ライバルの「すき家」「松屋」は豪州産や中国産に切り替えた。「すき家」は、牛丼を再開した04年9月の既存店売上高が前月比約2割増となった。同じころ吉野家は、豚丼など代替品効果でようやく月次の営業赤字からは脱却したが、既存店売上高は前年比7割程度と苦境が続き、05年2月期決算(単体)は12億円の経常赤字に。赤字は24年ぶりだった。
吉野家が、それでも味にこだわったのは苦い過去があるからだ。80年7月、吉野家は会社更生法を申請し、倒産した。店舗の急拡大で牛肉の供給が追いつかず、味が落ちる乾燥牛肉を使用。輸送コスト低減のためタレも液体から粉末に変えた。味が落ち客離れが起きたところに、売上額維持を狙う値上げでさらなる客離れ、という悪循環に陥ったことも倒産原因だった。
「まずくて高いものを出しても効果は2カ月が限度。短期の対応より長期の信頼を重要視するのが歴史から得た教訓」と安部社長。昨年2月11日に1日限定販売した時は、全国1000店の店頭で長い行列ができた。野村証券の田阪克之アナリストも「業績は傷んだが、ブランドを守ったことは長期でみれば一つの戦略」と評価する。
◇
牛丼再開にこぎ着けたとはいえ、復活の道は平坦(へいたん)ではない。
まず肝心の牛肉の不足だ。9月の全国一斉販売は18日の1日限り。10月以降も年内は限定販売だ。終日、牛丼を売るには少なくとも月1500トン必要だが、現状では調達できるのは月500トン程度。再び輸入停止、という可能性も消えたわけではない。
調達価格も01〜02年に比べ2〜3倍に高騰している。このあおりで店頭販売価格は並盛380円。販売休止前の280円より割高だ。
牛丼再開を盛り込んだ07年2月期連結決算で吉野家は営業利益率4%を見込むが、10%超が当たり前だったかつての水準からみるとまだまだだ。
「牛丼専業」のビジネスモデルの限界もみえてきた。現在の来店客を男女別にみると85%が男性。しかもその大部分が15〜40歳。少子高齢化の影響で国内市場が縮小に向かうことが確実な中、若い男性に大きく頼った商売だけでは早晩行き詰まってしまう。
牛丼単品経営の危険性は、今回の騒動で十分過ぎるほど味わった。今後は、女性や家族も気軽に来店できる店作りに力を入れていく予定。まず21日から北海道の20店舗で、牛丼と他のメニューの組み合わせ販売などを手がけ、どういう場所でどういうタイプの店舗が効率的か検証する。
「今回の販売停止は吉野家にとって絶好のチャンスだった」と外食産業に詳しい信州大学経営大学院の茂木信太郎教授。牛丼がない吉野家という実験が本気でできたからだ。「牛丼一筋だけでない」吉野家の真価が問われるのはこれからだ。
asahi.com 2006年09月14日10時18分
牛丼の販売再開を発表する吉野家ディー・アンド・シーの安部修仁社長=6日午後、東京・渋谷で
牛丼チェーン大手の吉野家ディー・アンド・シーは6日、休止していた牛丼の販売を18日に再開すると発表した。米国産牛肉の輸入量が少ないため、9月は同日だけの販売。その後も輸入量の急増が見込めず、年内は期間と時間を限定した販売にするという。
吉野家の牛丼復活は、国内在庫を使って1日限定で販売した05年2月を除けば、約2年7カ月ぶり。牛肉の調達価格が高騰しているため、販売価格は並盛が380円(休止前280円)、大盛が480円(同440円)で、特盛は販売しない。
18日は午前11時から全国約1000店の吉野家で100万食販売し、売り切れ次第終了する。10、11月は各月1〜5日の5日間、午前11時から1日100万食。12月には連日、時間帯を決めて売り出したいとしている。
吉野家によると、米産牛肉調達の見通しは月500トン程度。年内には月1000トンを目指し、早期に終日牛丼を提供できる月1500トン程度の確保を目指すという。
asahi.com 2006年09月06日20時30分
吉野家ディー・アンド・シーは6日、米国産牛肉の禁輸に伴い1年7カ月間販売を休止してきた牛丼を18日に復活させると正式発表した。確保できた牛肉が少ないため、9月は同日だけ、10月と11月は月初の5日間販売する。12月以降は提供数を限定し、毎日販売する。並盛りの価格は禁輸前より100円高い380円とする。
18日は午前11時から約1000店の全店で100万食販売する。牛肉は米国産が9割で、残りの1割はメキシコ産と豪州産。大盛りは480円で特盛りはなし。持ち帰りは1人4個まで。牛丼が売り切れ次第、豚丼、定食などの販売に切り替える。10、11月は1―5日に1日100万食ずつ販売し、12月以降は1日36万食を毎日販売する。
同日会見した安部修仁社長は「かつてと全く同じ味が再現できた。牛丼がまた販売できることに感動を覚えている」と話した。一部の消費者が不安を持っているため、米国の加工工場を視察するなどして安全性を確保しているが、「不安を完全にぬぐい去るのは難しい。来店客にリーフレット、ポスターなどで地道に説明したい」とした。
NIKKEI NET 2006/09/06 (20:09)
大手牛丼チェーンの吉野家ディー・アンド・シーは、数量限定で米国産牛肉を使った牛丼の販売を今月中旬にも再開する方針を固めたことが2日わかった。
関係者によると再開日は18日を軸に調整。全店舗(約千店)で実施する。同社はBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)発生に伴う米国産牛肉の輸入禁止で平成16年2月に販売を中止。17年2月に1日だけ限定して販売したが、それ以来1年7カ月ぶりに牛丼が復活する。
同社は米産牛肉の輸入再開が決まった今年7月27日、全店での牛丼販売を9月下旬に再開する方針を表明した。しかし、材料のバラ肉の調達量が予想の月1000トンに届かず、日にちを限定しての販売となる。輸入再開日から二カ月程度の準備期間が必要としており、18日再開が有力とみられる。
予定数は100万食で、売り切れ次第販売を休止する。10月以降も、調達量が安定するまでは1週間程度の期間限定販売を続ける。価格は並盛りで400円前後と、販売中止前の280円よりも高くなる見込み。
外食チェーンでは、ゼンショク(大阪府茨木市)が8月29日から、傘下の「焼肉でん」57店舗で同国産牛肉を使ったメニューを再開させたが、他の外食や小売業界では慎重な姿勢が目立っている。
また、一部の食品スーパーでも販売を始めたが、大手スーパーは安全性に対する消費者の抵抗感を考慮して本格的な取り扱いにはいたっていない。
(産経新聞) - 9月2日16時6分更新
吉野家ディー・アンド・シーは、米国産牛の輸入再開を受けて、2004年2月から休止していた牛丼の販売を18日に再開する。
ただ、輸入再開から間がなく、十分な量が確保できていないため、販売数は全国の約1000店で100万食とし、売り切れ次第、9月中は再び販売を止める。
「吉牛」の復活は、05年2月に過去の在庫などを使って1日限定で販売して以来、約1年7か月ぶり。販売休止以前の1日平均販売数より20万食多い牛丼を用意するが、販売再開を待ちわびるファンも多く、多くの店では18日に即日完売となる見通し。価格は並盛りで400円前後で、販売休止前の280円よりも高くなる見込みだ。
米国産牛の輸入は今年7月、生後20か月以下の牛などについて再開が決まったが、まだ十分な量が入ってきていない。吉野家では10月以降も販売日などを限った販売となる、とみている。
米国産牛肉をめぐっては、焼き肉店「焼肉 でん」を展開するゼンショク(大阪府茨木市)が販売を再開している。
(2006年9月2日19時30分 読売新聞)
吉野家ディー・アンド・シーの安部修仁社長は声を詰まらせた。今月6日、牛丼販売再開を発表した記者会見で吉野家ファンへの一言を求められた時だ。「不覚だったが、いろんなことを思い出した」と安部社長は照れ笑いをする。
1日70万〜80万食売れていた「吉牛」が姿を消したのは04年2月。03年12月に米国産牛肉が輸入停止になり、在庫も尽きた。以来、「米国産でないと『吉牛』は作れない」と封印してきた。
ライバルの「すき家」「松屋」は豪州産や中国産に切り替えた。「すき家」は、牛丼を再開した04年9月の既存店売上高が前月比約2割増となった。同じころ吉野家は、豚丼など代替品効果でようやく月次の営業赤字からは脱却したが、既存店売上高は前年比7割程度と苦境が続き、05年2月期決算(単体)は12億円の経常赤字に。赤字は24年ぶりだった。
吉野家が、それでも味にこだわったのは苦い過去があるからだ。80年7月、吉野家は会社更生法を申請し、倒産した。店舗の急拡大で牛肉の供給が追いつかず、味が落ちる乾燥牛肉を使用。輸送コスト低減のためタレも液体から粉末に変えた。味が落ち客離れが起きたところに、売上額維持を狙う値上げでさらなる客離れ、という悪循環に陥ったことも倒産原因だった。
「まずくて高いものを出しても効果は2カ月が限度。短期の対応より長期の信頼を重要視するのが歴史から得た教訓」と安部社長。昨年2月11日に1日限定販売した時は、全国1000店の店頭で長い行列ができた。野村証券の田阪克之アナリストも「業績は傷んだが、ブランドを守ったことは長期でみれば一つの戦略」と評価する。
◇
牛丼再開にこぎ着けたとはいえ、復活の道は平坦(へいたん)ではない。
まず肝心の牛肉の不足だ。9月の全国一斉販売は18日の1日限り。10月以降も年内は限定販売だ。終日、牛丼を売るには少なくとも月1500トン必要だが、現状では調達できるのは月500トン程度。再び輸入停止、という可能性も消えたわけではない。
調達価格も01〜02年に比べ2〜3倍に高騰している。このあおりで店頭販売価格は並盛380円。販売休止前の280円より割高だ。
牛丼再開を盛り込んだ07年2月期連結決算で吉野家は営業利益率4%を見込むが、10%超が当たり前だったかつての水準からみるとまだまだだ。
「牛丼専業」のビジネスモデルの限界もみえてきた。現在の来店客を男女別にみると85%が男性。しかもその大部分が15〜40歳。少子高齢化の影響で国内市場が縮小に向かうことが確実な中、若い男性に大きく頼った商売だけでは早晩行き詰まってしまう。
牛丼単品経営の危険性は、今回の騒動で十分過ぎるほど味わった。今後は、女性や家族も気軽に来店できる店作りに力を入れていく予定。まず21日から北海道の20店舗で、牛丼と他のメニューの組み合わせ販売などを手がけ、どういう場所でどういうタイプの店舗が効率的か検証する。
「今回の販売停止は吉野家にとって絶好のチャンスだった」と外食産業に詳しい信州大学経営大学院の茂木信太郎教授。牛丼がない吉野家という実験が本気でできたからだ。「牛丼一筋だけでない」吉野家の真価が問われるのはこれからだ。
asahi.com 2006年09月14日10時18分
吉野家の牛丼、18日復活 1日だけ100万食限定
牛丼の販売再開を発表する吉野家ディー・アンド・シーの安部修仁社長=6日午後、東京・渋谷で牛丼チェーン大手の吉野家ディー・アンド・シーは6日、休止していた牛丼の販売を18日に再開すると発表した。米国産牛肉の輸入量が少ないため、9月は同日だけの販売。その後も輸入量の急増が見込めず、年内は期間と時間を限定した販売にするという。
吉野家の牛丼復活は、国内在庫を使って1日限定で販売した05年2月を除けば、約2年7カ月ぶり。牛肉の調達価格が高騰しているため、販売価格は並盛が380円(休止前280円)、大盛が480円(同440円)で、特盛は販売しない。
18日は午前11時から全国約1000店の吉野家で100万食販売し、売り切れ次第終了する。10、11月は各月1〜5日の5日間、午前11時から1日100万食。12月には連日、時間帯を決めて売り出したいとしている。
吉野家によると、米産牛肉調達の見通しは月500トン程度。年内には月1000トンを目指し、早期に終日牛丼を提供できる月1500トン程度の確保を目指すという。
asahi.com 2006年09月06日20時30分
吉野家「18日牛丼復活」発表、当面は限定販売
吉野家ディー・アンド・シーは6日、米国産牛肉の禁輸に伴い1年7カ月間販売を休止してきた牛丼を18日に復活させると正式発表した。確保できた牛肉が少ないため、9月は同日だけ、10月と11月は月初の5日間販売する。12月以降は提供数を限定し、毎日販売する。並盛りの価格は禁輸前より100円高い380円とする。
18日は午前11時から約1000店の全店で100万食販売する。牛肉は米国産が9割で、残りの1割はメキシコ産と豪州産。大盛りは480円で特盛りはなし。持ち帰りは1人4個まで。牛丼が売り切れ次第、豚丼、定食などの販売に切り替える。10、11月は1―5日に1日100万食ずつ販売し、12月以降は1日36万食を毎日販売する。
同日会見した安部修仁社長は「かつてと全く同じ味が再現できた。牛丼がまた販売できることに感動を覚えている」と話した。一部の消費者が不安を持っているため、米国の加工工場を視察するなどして安全性を確保しているが、「不安を完全にぬぐい去るのは難しい。来店客にリーフレット、ポスターなどで地道に説明したい」とした。
NIKKEI NET 2006/09/06 (20:09)
吉野家牛丼、18日に販売再開 100万食限定
大手牛丼チェーンの吉野家ディー・アンド・シーは、数量限定で米国産牛肉を使った牛丼の販売を今月中旬にも再開する方針を固めたことが2日わかった。
関係者によると再開日は18日を軸に調整。全店舗(約千店)で実施する。同社はBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)発生に伴う米国産牛肉の輸入禁止で平成16年2月に販売を中止。17年2月に1日だけ限定して販売したが、それ以来1年7カ月ぶりに牛丼が復活する。
同社は米産牛肉の輸入再開が決まった今年7月27日、全店での牛丼販売を9月下旬に再開する方針を表明した。しかし、材料のバラ肉の調達量が予想の月1000トンに届かず、日にちを限定しての販売となる。輸入再開日から二カ月程度の準備期間が必要としており、18日再開が有力とみられる。
予定数は100万食で、売り切れ次第販売を休止する。10月以降も、調達量が安定するまでは1週間程度の期間限定販売を続ける。価格は並盛りで400円前後と、販売中止前の280円よりも高くなる見込み。
外食チェーンでは、ゼンショク(大阪府茨木市)が8月29日から、傘下の「焼肉でん」57店舗で同国産牛肉を使ったメニューを再開させたが、他の外食や小売業界では慎重な姿勢が目立っている。
また、一部の食品スーパーでも販売を始めたが、大手スーパーは安全性に対する消費者の抵抗感を考慮して本格的な取り扱いにはいたっていない。
(産経新聞) - 9月2日16時6分更新
「吉牛」18日に販売再開、即日完売か
吉野家ディー・アンド・シーは、米国産牛の輸入再開を受けて、2004年2月から休止していた牛丼の販売を18日に再開する。
ただ、輸入再開から間がなく、十分な量が確保できていないため、販売数は全国の約1000店で100万食とし、売り切れ次第、9月中は再び販売を止める。
「吉牛」の復活は、05年2月に過去の在庫などを使って1日限定で販売して以来、約1年7か月ぶり。販売休止以前の1日平均販売数より20万食多い牛丼を用意するが、販売再開を待ちわびるファンも多く、多くの店では18日に即日完売となる見通し。価格は並盛りで400円前後で、販売休止前の280円よりも高くなる見込みだ。
米国産牛の輸入は今年7月、生後20か月以下の牛などについて再開が決まったが、まだ十分な量が入ってきていない。吉野家では10月以降も販売日などを限った販売となる、とみている。
米国産牛肉をめぐっては、焼き肉店「焼肉 でん」を展開するゼンショク(大阪府茨木市)が販売を再開している。
(2006年9月2日19時30分 読売新聞)

