【エルサレム=三井美奈】イスラエルのペレツ国防相は14日、イスラム原理主義組織ハマス幹部でパレスチナ自治政府のハニヤ首相が中東歴訪を終えエジプトから陸路ガザ地区に戻ろうとしたところ、検問所の閉鎖を命じ、ハニヤ首相の通過を阻止した。
これに反発したハマス武装メンバー数十人が検問所に乱入して発砲。検問所を警備するファタハ系治安部隊が応戦し、約20人が負傷した。
AP通信などによると、ハニヤ首相は、現金約3500万ドル(約40億円)を持ち込もうとしていた。首相は歴訪中、イスラエル敵視政策をとるイランやスーダンで支援約束を取り付けており、イスラエルは現金がハマスの武装組織に流れることを警戒したとみられる。
仲介に入ったエジプトが、現金を一時預かることで合意を取り付け、首相は約7時間後、検問所を通過してガザに戻った。この際、車列に何者かが発砲し、警備員が死亡した。
ハマス内閣発足後、米欧が援助を停止したため自治政府は財政難に陥っており、ハマス閣僚が外遊先で集めた現金を手荷物で持ち帰ろうとするケースが相次いでいる。
(2006年12月15日12時56分 読売新聞)