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 フセイン元大統領の死刑確定の際、米ブッシュ政権は「独裁者による支配を法による支配に置き換えようとするイラク国民の努力」と評価していた。処刑については「主権国家であるイラク政府が決定すること」とみなす建前から、表向き介入しない立場だった。

 しかし、処刑直前まで元大統領の身柄を拘束していたのが米軍だった点に象徴されるように、イラクで「法による支配」が確立されたとは言い難い。米国防総省も議会あてイラク情勢報告書の最新版(11月30日付)の中で、イラクでの法治について「構造的な欠陥から深刻な問題が生じている」と認めざるを得ない状態だ。

 このように国内の裁判所が正常に機能しない国や地域では近年、国際社会が代わって正義を実現する国際法廷が設置される場合が少なくない。元大統領が自らの統治下での非人道行為について責任を問われる立場にあるのは疑いない以上、刑事責任について国際法廷による裁きへの道が、理論的には存在した。


死刑直前のフセイン元大統領 死刑を執行されるフセイン元イラク大統領。死刑確定後4日で処刑された。マリキ政権が断行した形だが、イラクの治安情勢が一段と不安定になる恐れもある(30日、イラク・バグダッド=同国国営テレビの映像より)(AFP=時事)

 【カイロ高橋宗男】イラクのイスラム教シーア派住民殺害事件で死刑判決が確定したフセイン元大統領(69)は30日午前6時(日本時間同日正午)ごろ、バグダッドで絞首刑に処せられた。24年間にわたり同国を独裁支配してきた元大統領は、03年のイラク戦争を経て「人道に対する罪」で裁かれた。米国の影響下で行われた裁判の正当性には疑問がつきまとい、旧フセイン政権を支えたイスラム教スンニ派の反発は必至の情勢だ。シーア派主導のマリキ政権や米国は刑の執行で国民和解が進展し治安情勢が安定することを期待しているが、泥沼化する宗派間対立に拍車がかかる恐れがある。


フセイン死刑・喜ぶイラク市民 イラクの首都バグダッド南方のナジャフで、フセイン元大統領の死刑執行を祝う市民(30日)(EPA=時事)

 【カイロ=岡本道郎】イラク元大統領フセインの死刑執行が、巡礼明けの犠牲祭入りと重なった中東アラブ世界は、中東を幾多の混乱に陥れた独裁者の最期を複雑な表情で受け止めた。

 1990年、フセインのイラク軍の侵攻を受け、半年間にわたり占領されたクウェートは、公式には、サバハ社会問題労働相が「死刑執行はイラクの国内問題」と淡々とした声明を発表したが、アジミ元情報相はロイター通信に対し、「人道に対する犠牲祭最高の贈り物だ」と歓迎。一方、イラク戦争回避に尽力したアラブ首長国連邦(UAE)の政府高官はAFP通信に対し、「イラクの兄弟が苦しみのページを過去のものとして、暴力をやめ、国民融和に向かうことを望む」と語った。


増え続けるイラク避難民=100万人流入、生活に悪影響−シリア シリアの首都ダマスカス東部のパン屋でイラク風のパンを焼くイラク人たち。イラクでの宗派間抗争の激化で、周辺国などへ脱出するイラク人が増加。イラクの地名が付いたイラク人経営の飲食店などが増えている(時事通信社)

 【ダマスカス29日時事】イラクでの宗派間抗争の激化による極度の治安悪化を受け、周辺アラブ諸国などへ脱出するイラク人が増加の一途をたどっている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の推計では、これまでに国外に脱出したイラク人は180万人に達する。約2900万人のイラクの人口からみて、異常な国民流出だ。その中でも最も多数のイラク人避難民を抱えるシリアでは、物価上昇などでシリア人の生活にも悪影響を及ぼすほどになっている。

 入国管理当局者によれば、現在シリアに滞在しているイラク人は約100万人に上り、さらに毎日1000人が流入し続けている。シリアに特に避難民が多いのは、地理的に近いことに加え、同国がアラブ国民にはビザなしで入国を認めており、滞在しやすいのが理由。逃れてきたイラク人は主として比較的裕福な中産階級出身者で、貯蓄を取り崩して生活している人も多い。

12月29日15時0分配信 時事通信


 【テヘラン=工藤武人】イランのカゼミコミ駐イラク大使は29日、イラク駐留米軍により拘束されていたイラン人2人が同日、解放され、在バグダッドのイラン大使館に引き渡されたことを明らかにした。イラン国営通信が伝えた。

 米軍に拘束されたイラン人は、イランの革命防衛隊員の可能性があるとの報道もあるが、同大使は、解放されたのは「外交官」と強調した。

(2006年12月29日19時52分 読売新聞)


故フォード元米大統領、イラク戦争に反対だった=WP紙 12月27日、同日付の米ワシントン・ポスト紙は故フォード元大統領が、ブッシュ大統領と側近はイラク侵攻を正当化したことで「大きな過ちを犯した」と語っていたと伝えた。2003年7月撮影(2006年 ロイター/Stefan Zaklin)

 [ワシントン 27日 ロイター] 27日付の米ワシントン・ポスト(WP)紙オンライン版は、26日に93歳で死去したジェラルド・フォード元大統領は、ブッシュ大統領と側近はイラク侵攻を正当化したことで「大きな過ちを犯した」と語っていた、と伝えた。

 2004年7月に著名ジャーナリスト、ボブ・ウッドワード氏とのインタビューで語ったもので、インタビューの内容は自分が死ぬまで公表しない約束だったという。

 フォード元大統領は「これまでに公になっている事実に基づいて言うなら、もし私が大統領だったら、イラク戦争の開戦は指示しなかったと思う。私なら、別の答えを見つけるために、制裁でも規制でも、何でも可能な手段を通じて最大限の努力をしただろう」と語った。

 さらに「ラムズフェルド前国防長官もチェイニー副大統領も、(ブッシュ)大統領も、イラク戦争に踏み切ることを正当化し、大きな過ちを犯した」と述べた。

12月29日18時27分配信 ロイター


 【ワシントン=坂元隆】AP通信などが26日、米国防総省高官らの話として報じたところによると、ゲーツ国防長官は同日、現在ノースカロライナ州の基地に駐留中の第82空挺(くうてい)師団第2旅団約3300人にクウェートへの派遣命令を出した。

 来年初めにイラクに再配置される見通しで、イラクの治安安定化のために一時的にイラク駐留軍を増派する戦略の一環とみられる。

 現在イラクに駐留する米軍は13万4000人。ゲーツ長官は先週就任したばかりで、今回が初の増派指示となった。

(2006年12月27日12時40分 読売新聞)


 【ワシントン=五十嵐文】来年1月に米上院外交委員長に就任する民主党のジョゼフ・バイデン上院議員は26日、同委員会で1月9日から3週間にわたりイラク政策に関する公聴会を開催し、ライス国務長官ら政府高官を招致することを明らかにした。

 電話を通じた記者会見で語った。

 バイデン氏によると、すでに国務長官には公聴会への出席を要請した。ライス氏は、ブッシュ米大統領が新たなイラク政策を発表した後であれば、公聴会に出席する意向を示したという。

(2006年12月27日12時35分 読売新聞)


連続車爆弾テロで25人死亡・バグダッド 自動車爆弾により破壊された車を見る米軍兵士ら=26日、バグダッド〔著作権:AP.2006〕

 【カイロ26日共同】AP通信によると、イラクの首都バグダッド西部で26日、3台の自動車爆弾によるテロが相次いで起き、犠牲者が搬送された病院の医師は、少なくとも25人が死亡、55人が負傷したと語った。現場はイスラム教シーア、スンニ両派の住民が混住している地域。

 また首都東部近郊を巡回中のイラク人警察官が道路に仕掛けた爆弾による攻撃を受け、警察官4人が死亡、12人が負傷した。北部キルクークでも同様の爆弾による攻撃で8歳の少女1人を含む民間人3人が死亡、6人が負傷した。

NIKKEI NET 2006/12/27 (00:42)


 【カイロ支局】2003年3月のイラク戦争開戦以来の米兵死者数が26日までに2974人となり、01年の米同時テロの犠牲者数を上回ったことが、AP通信の独自集計でわかった。

 同通信によると、バグダッド南西部を巡回中の米兵2人が25日、道路脇に仕掛けられた爆弾で死亡。この結果、米兵死者数は米同時テロ犠牲者数である2973人を1人上回った。

 イラク駐留米軍は今年8月以降、宗派抗争鎮圧などのため、治安活動を積極的に展開しているが、武装勢力の反撃や自爆攻撃で米兵の犠牲者も急増している。

(2006年12月26日18時28分 読売新聞)



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